介護福祉士国試対策(40)感染症と食中毒
介護福祉士国試 第31回 問題109
次のうち、スタンダードプリコーション(standard precautions:標準予防策)において、感染する危険性のあるものとして取り扱う対象を一つ選びなさい。【 】
汗を除くすべての血液、体液・分泌物(唾液、鼻汁、痰、排泄物等)、損傷のある皮膚、粘膜は感染性病原体を含む可能性がある。
(资料图片仅供参考)
1.汗
2.唾液
3.経管栄養剤
4.傷のない皮膚
5.未使用の吸引チューブ
介護福祉士国試 第35回 問題59
消毒と滅菌に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。【 】
滅菌とは、すべての微生物を死滅、または除去することをいいます。消毒と滅菌の違いや、その方法についても併せて覚えておくとよいでしょう。
1.消毒は、すべての微生物を死滅させることである。
消毒とは、病原性の微生物(細菌やウイルスなど。微生物の中には腸内細菌などの身体に良い働きをするものもある)を死滅、または弱体化させることをいいます。
2.複数の消毒液を混ぜると効果的である。
複数の消毒液を混ぜるのは危険です。絶対にしてはいけません。次亜塩素酸ナトリウム液に酸性洗剤やアルコール液を混ぜると有毒ガスが発生するため危険です。
3.滅菌物には、有効期限がある。
滅菌物は時間の経過に伴って材質の劣化が生じることなどから、有効期限が定められています。滅菌物を使用する前には、滅菌済みの表示があること・有効期限内であること・未開封のものであることを確認してから使用します。
4.家庭では、熱水で滅菌する。
熱水で行えるのは消毒です。熱水消毒とは、80℃の熱水に10分間さらすことで一般的な細菌を感染可能な水準以下にする方法です。滅菌は、高圧蒸気や酸化エチレンガス・放射線などを用いて専用の施設や設備で行うので、家庭では難しいでしょう。
5.手指消毒は、次亜塩素酸ナトリウムを用いる。
手指消毒にはアルコールを使用します。次亜塩素酸ナトリウムはノロウイルスに感染した人の衣類・リネン類や、経管栄養の点滴用チューブなどの消毒に使用されます。
介護福祉士国試 第35回 問題97
ノロウイルス(Norovirus)による感染症の予防のための介護福祉職の対応として、最も適切なものを一つ選びなさい。【 】
ノロウイルス感染症とは、急性胃腸炎を引き起こすウイルス性の感染症です。接触感染(経口感染を含む)で感染し、潜伏期間は約1日。激しい嘔吐・下痢・腹痛などの症状があります。介護の現場では集団感染が危惧され、予防や嘔吐物処理などの正しい知識が求められます。
1.食品は、中心部温度50℃で1分間加熱する。
食品中のウイルスを加熱で不活化させるためには、中心部温度が85〜90℃で90秒以上の加熱が必要です。
2.嘔吐物(おうとぶつ)は、乾燥後に処理をする。
ノロウイルスは乾燥すると空気中に漂い、これを吸い込むと感染してしまいます。なので、嘔吐物は濡れたペーパータオルなどで覆い、周囲から人を遠ざけ、換気を十分に行ったうえで処理する必要があります。
3.マスクと手袋を着用して、嘔吐物(おうとぶつ)を処理する。
嘔吐物の処理をする介護福祉職自身が感染したり、ウイルスを媒介して他者への感染源になってしまったりすることを防ぐため、マスク・手袋、そしてガウン着用で嘔吐物の処理を行います。
4.手すりの消毒は、エタノール消毒液を使用する。
ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムを使用します。ただし、次亜塩素酸ナトリウムは腐食や変色を起こすことがあるので、消毒後は別の濡れタオルなどで拭き取ることをおすすめします。
5.嘔吐物(おうとぶつ)のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。
リネン類は嘔吐物が飛び散らないよう処理し、しぶきを吸い込まないよう静かにもみ洗いします。消毒は85℃以上で1分間以上の熱水洗濯か、次亜塩素酸ナトリウム溶液につけて行います。
介護福祉士国試 第34回 問題54
次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする衣類用漂白剤に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。【 】
1.全ての白物の漂白に使用できる。
2.色柄物の漂白に適している。
3.熱湯で薄めて用いる。
4.手指の消毒に適している。
5.衣類の除菌効果がある。
介護福祉士国試 第33回 問題53
食中毒の予防に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。【 】
1.鮮魚や精肉は、買物の最初に購入する。
常温に置いておくことで食中毒の原因になるウイルスや細菌が繁殖する為、買い物の最後に購入し、帰宅後すぐに冷蔵庫に保存するようにします。
2.冷蔵庫の食品は、隙間なく詰める。
冷蔵庫の食品を隙間なく詰めることによって冷気の流れが悪くなり、食品を確実に冷やすことが出来ません。冷蔵庫の食品は、食品と食品との間に隙間を作り、保存するようにします。
3.作って保存しておく食品は、広く浅い容器に入れてすばやく冷ます。
広く浅い容器に入れることで、冷気に当たる面積が増え、早く冷やすことが出来ます。
4.再加熱するときは、中心部温度が60℃で1分間行う。
再加熱する際は中心部温度が70℃で2分間行うことが必要です。
5.使い終わった器具は、微温湯をかけて消毒する。
使い終わった器具は洗剤でよく洗った後、熱湯をかけることで殺菌消毒します。
介護福祉士国試 第32回 問題26
高齢者介護施設で、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の保菌者が確認されたときの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。【 】
1.入所者全員の保菌の有無を調べる。
2.接触感染予防策を実施する。
3.保菌者のレクリエーションへの参加を制限する。
4.保菌者は最初に入浴する。最後に
5.通常用いられる消毒薬は無効である。
MRSAには、塩化ベンザルコニウムや次亜塩素酸ナトリウムなどよく使われる消毒薬が有効です。
介護福祉士国試 第32回 問題53
肉入りのカレーを常温で保存し、翌日、加熱調理したときの食中毒の原因菌として、最も注意しなければならないものを一つ選びなさい。【 】
1.ウエルシュ菌
2.カンピロバクター
3.サルモネラ菌
4.腸炎ビブリオ
5.黄色ブドウ球菌
介護福祉士国試 第32回 問題54
ノロウイルス( Norovirus )に感染した人の嘔吐物(おうとぶつ)のついた衣服の処理に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。【 】
1.嘔吐物を拭き取ったペーパータオルはごみ箱に捨てる。
嘔吐物を拭き取ったペーパータオルは二次感染を防ぐため、ゴミ箱ではなく、専用のビニール袋や感染性廃棄物容器に密閉して管理、処分をすることが求められます。
2.汚染された部分にアルコールを噴霧する。
塩素系を用いた消毒に除菌効果があります。
3.汚染された部分を強くもみ洗いする。
もみ洗いすることで二次感染のリスクが高まるので、適していません。塩素系消毒剤で消毒した後に洗いましょう。
4.嘔吐物を取り除いた後、次亜塩素酸ナトリウム溶液につける。
℃の湯で洗濯する。
加熱して消毒することは効果的ですが、85℃〜90℃のお湯である必要がありますので、40℃は適していません。
介護福祉士国試 第31回 問題25
介護老人福祉施設の感染対策に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。【 】
1.感染対策のための委員会を開催することは任意である。
感染症対策委員会は定期的な開催が必要です。
2.手洗いは、消毒液に手を浸して行う。
せっけんと流水を使用した手洗いを行うのが基本です。
3.洗面所のタオルは共用にする。
使い捨てのペーパータオルなどを使用して、共用しないようにする必要があります。
4.入所者の健康状態の異常を発見したら、すぐに生活相談員に報告する。
看護師等の医療職に報告する必要があります。
5.おむつ交換は、使い捨て手袋を着用して行うことが基本である。
社会福祉士国試 第29回 問題4
感染症に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。【 】
1.疥癬(かいせん)の他者への感染を予防するために、患者の使用した食器の消毒を行う。
疥癬はヒゼンダニが原因です。人の皮膚に寄生し、激しい痒みを伴います。衣類やリネンを通じて、感染することもあります。設問の「食器の消毒」と疥癬は関連性はありません。
2.結核は、空気中に浮遊する病原菌を吸入することで感染する。
結核菌を吸い込むことにより感染します(空気感染)
3.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、水や食べ物を通して感染する。
HIVは性的、血液、母子感染が多くなっています。
4.デング熱は、マダニを介して感染する。
デング熱はデングウイルスによる感染症です。ヒトスジシマカやネッタイシマカがウイルスを持っているため、これらの蚊に刺されることにより感染します。
型肝炎ウイルスの感染予防には、ワクチンが実用化されている。
C型肝炎は血液を介して感染します(輸血や血液製剤、注射針の使い回しなど)。治療としては服薬や抗ウイルス療法などです。種類はA,B,C,D,E型肝炎があります。C型肝炎についてはワクチンの実用化はされていません。